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抵抗加熱のヒータ

抵抗加熱は直接電源がつながれた導電性物体中におけるジュール熱による発熱を利用する加熱方法です。
他の加熱方式と異なる特徴は

  • クリーンな熱源である
  • 高精度の温度管理と幅広い温度利用ができる
  • 被加熱物の材質、形状に制限が無い
  • 雰囲気制御が容易である
  • 真空炉の熱源として利用しやすい
抵抗加熱のヒータ

加熱方式には被加熱材料自身に直接電流を通じて加熱する直接加熱方式と、発熱体から出る熱を被加熱材料に伝える間接加熱方式とがあります。
間接加熱方式の発熱体には、金属発熱体と非金属発熱体の2種類があります。
金属発熱体はMo W Ni Cr Si AlおよびFeなどの金属単体ないし 合金となったものが使用され、まれには金属間化合物も用いられます。希少金属が微量加えられ表面の耐酸化性の向上を図っているものもあります。

  • 金属発熱体(Mo)
    金属発熱体(Mo)
  • 非金属発熱体(黒鉛)
    非金属発熱体(黒鉛)

非金属発熱体は、金属の炭化物、黒鉛などが高温用として使用されています。
非金属発熱体は加工しにくく折れやすいなど機械的に弱く、使用にあたっては、最高使用温度、表面負荷を勘案しなければならないのはもちろん、使用する雰囲気の種類によっては極端に寿命が左右されることが多いので、発熱体の特徴を十分に理解する必要があります。

黒鉛発熱体は大気中で発熱させると酸化消耗するという欠点を持ちますが、不活性雰囲気または真空中などの非酸化性雰囲気で使用すれば、発熱体素材としては理想的な特性を保有しています。